第六話 「宿屋」
刹葉達は置いておいた車を目指している。途中買ったたこやきをほおばりながら。
刹葉達は車へとたどり着くと時間に目をやる。現在の時刻は二十二時を回ったところであろうか。するとぽつりと純吉がつぶやく。
「俺たちまだ泊まるとこ決まってなくね?」
「うん。」
「やばくね?」
「うん。」
焦りだす純吉を横目に、まったく焦った風もない三人は携帯を取り出すと、宿屋を探す。運転手を除いて、であるが。
そして、行き先が決まる。
「千葉に行こう。」
「おっけい。」
そして行き先が千葉へと決まると、走り出す。いや、もう走り出しているのだが。
千葉へと向かっていると、純吉がぽつりとつぶやく。
「アクアライン乗って千葉に行こう。」
「いいね!」
そして、三人もそれに同意した。時間も遅く宿屋すら決まっていないというのに。だ。
刹葉達はアクアラインをナビに指定すると。そこを目指した。
無事アクアラインに乗る刹葉達。途中のパーキングエリアで休憩することとなった刹葉達は車から降りる。
外はとても寒い。まるで真冬のような寒さである。海に乗っているそのパーキングエリアはかすかに香る塩風が、海の上にいることを実感させる。周りを見渡すと真っ暗で、海を見渡す事はできなかったが、塩風によって想像できたに違いない。周りには夜も遅かったため人がいなく、とても静かな雰囲気を堪能することができたであろう。
「昼に来たかったね。」
そうつぶやくと、三人はそれを共感した。
アクアラインを抜けると、時刻はすでに零時過ぎ、宿屋なんか受付てくれるのだろうかと心配だった刹葉達は焦って宿屋を探した。すると、事件が起きたのである。
いろいろ探し回っても宿屋は見つからず、挙句に慣れない土地であったため、方向が定まらず、道にすら迷ってしまったのである。四人の眠気もピークに達していたため、焦りは隠し切れなかった。
ある程度方向が定まり、駅前付近へとたどり着くと、宿屋が見つかりだす。ビジネスホテルではあったが、泊まれるに越したことはないので、そこに泊まることにしたのだった。
ホテルへとたどり着くと、受付の人に泊まれるかを聞き、大丈夫であったため、そこに泊まることにした刹葉達、シングル部屋しか空きがなかったため、各々別々の部屋へと入ると各自明日に備えて、休息をする。
三人と別れた刹葉は、考えた。
(せっかく、一人になったし、少し抜いておこう。)
などと考えた刹葉は有料チャンネルを購入し、部屋でゆっくりと堪能する。予定だった。
しかし、そんな刹葉に事件が起きたのであった。
テレビを見ながら軽く食事を済ませると、沸かしておいた、湯に漬かる。そして、一日の疲れを癒して、本番開始。
ゆっくり抜こうと思っていた刹葉は、有料チャンネルをつけた。
すでに下は準備万全なようだ。わくわくしながらテレビを覗き込むと、映るものは太い女の子。太い。女の子。
(えーっと・・・。少し時間を置いて、またつけて見よう。)
さすがに下の棒は反応を示さなかったので、時間を置くことにした刹葉は、待った。違う番組を堪能しながら。
時は三十分を経過したころであろうか、時刻を見ると二時三十分を過ぎたくらいである。
再び下を準備万全な状態へともっていくと、チャンネルを回した。
すると、再び太い。女の子。が映っていた。
(・・・。)
刹葉は再びチャンネルを回すと、また時間を置くことにしたのであった。
もう、先の行為を3回ほど繰り返した頃であろうか。時刻は四時三十分を回ったところである。
(次、可愛い子じゃなかったら、寝よう。)
そう思った刹葉の眠気はピークに達していた。
そして願いを込めてチャンネルを回す。
すると刹葉の目に映ったもの。それは・・・。
『太い』女の子であった。
刹葉は相当なショックを受けたのか、すぐに眠りについたのであった。
この前の風俗といい、今回の件といい、とことん逝けない刹葉であった。
一日目はこれにて終了した。刹葉達の旅は、まだまだ続くのでった。
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