えーと。先日ノープラン旅行に行ってきました。
なので、その旅行を好評だった小説風に書いてお送りしたいと思います。
読みたい方はどうぞ。長編になりそうなので数話に分けて更新したいと思います。
俺達流ノープラン旅行
登場人物 ・・・ 刹葉・純吉・祐二・祐一(全部仮名です。)
第一話 「旅立ち」
電話の音が鳴り響く。刹葉は重たい瞼をこじ開けて携帯電話を探す。着信相手は純吉からであった。
「おはよう。寝てた?祐一は起きてて、祐二はさっき起きたらしくて今から風呂入って準備するらしいから、そっち行くの9時ちょっと過ぎになるかも。」
「わかった。とりあえず準備して待ってる。」
「よろしく。」
今日は旅行の日である。刹葉は電話を終えると時間を確認した。時刻は8時半ちょっと過ぎくらい。今から準備しても十分に間に合う時間である。
(にしても、祐二は風呂か・・・。寝る前に入っとけよ。)
刹葉は相変わらずの祐二に落胆した。
(まぁ、ノープラン旅行だし、慌てる必要もないか。)
刹葉は準備に取り掛かることにした。
やがて、準備を追えると刹葉の携帯にメールが届いた。どうやら迎えがついたようである。刹葉は家を飛び出すと、友人達の待つ車へと向かった。
いつもの見慣れた車へとたどり着くと、友人二人が迎えてくれた。
運転席に座っているのは祐一である。ちょっと幼いその顔は友人の間でもトップクラスである。オンラインゲームにはまっていて、名前はノエルと言うらしい。最近パチンコにはまりだしたらしいが、オンラインゲームには勝てない。らしい。友人の中でも家にいる確立が高い。
そして、助手席に座っているのが祐二である。名前が似ているが、兄弟ではない。家は近いのだが。
そんな祐二はと言うと、友人の中でも稀に見る『不幸な人』である。刹葉と同じでパチンコ大好きなのだが、勝率がかなり悪く、いつもへこんでいる。最近はちょっと調子がいい。らしい。
そんな二人がいる車の中へと乗り込むと、純吉の姿はなかった。
三人そろっていると思っていた刹葉はおもむろに口を開いた。
「純吉は?」
「これから迎えにいくよ。」
「わかった。」
いつもながらの音楽を聞きながら、純吉を迎えに車を走らせた。
純吉の家へとたどり着くと、一人の男の姿があった。純吉である。どうやらすでに外で待っていたらしい。
そういうところはしっかりとしている純吉であった。ちなみに純吉はというと、丸々一ヶ月パチンコに行ったらしい。プロになるつもりなのだろうか。その詳細は誰も、知らない。
そんな四人のメンバーを迎えた刹葉達は、ノープラン旅行へと旅立った。ノープランと言っても目的は決まっていた。良い温泉に入ることだった。
第二話 「大人のコンビニ」
刹葉達の向かった先はマクドナルドである。そこで朝食をとりつつこれからの行き先を決めるため、であった。しかし、会話はパチンコの話ばかり、一向にどこに向かうか決まっていかない四人だった。時間だけが過ぎていく。そんな中、おもむろに会話を割って入った男がいた。刹葉である。
「うーん、なかなか決まらないから、近くの本屋でいい場所探そう。」
「そうだね、そうしようか。」
次の行き先が決まった刹葉達は、朝食を終え、次の目的地である。本屋へと向かった。
本屋へとたどり着いた刹葉達は、行き先を決めるため、旅館の本などのコーナーへと向かったのだが・・・。
一目散にCDコーナーへと歩き出す祐二。一目散にゲーム雑誌コーナーへと歩き出す祐一。一目散にパチンコ雑誌コーナーへと歩き出す刹葉。まともに旅館の本コーナーへ向かったのは純吉だけ。であった。
そうして、結局行き先も決まらないまま本屋を後にする刹葉達。四人は何をしに本屋へ足を運んだのだろうか未だにわからない。結局のところ、適当な高速に乗ることにしたのだった。
刹葉達は近くの、といっても少し距離のある高速を目指して走り出す。相変わらずのたわいもない会話で盛り上がる四人であったが、おもむろに携帯を取り出して携帯アプリの番長をやりだす刹葉。三人の会話は次第に盛り下がっていくと、刹葉は不思議に思って口にする。
「どうした?三人とも盛り上がってねーな。」
「お前が番長やりだすからだろ。」
「あ。サーセンw」
番長に飽きたのか、怒られたからなのかはわからないが、刹葉も番長をやめ、四人の会話と、音楽で盛り上がっていく。そうして、高速へと向かって行くのであった。
高速へとたどり着いた刹葉達は、運転者の祐一まかせで、行き先をゆだねていた。祐一が選んだ場所は首都高だった。そして、首都高に乗ったくらいで、刹葉は思わぬ提案をしたのだった。
「メイド喫茶いこうぜ。」
三人は少しびっくりな様子であったが、祐二の言ってみたいという声もあったため、向かうことにした。
助手席に乗っていた祐二は、すばやく車のナビに目的地である秋葉原をセットし始めた。後はナビに従って行くだけだった。道に迷うこともなく目的地の秋葉原に到着したのだった。迷ったのは駐車場を探すのに手間取ったくらいであった。祐一は優秀な運転手らしい。
秋葉原の駐車場を後にした刹葉達はトイレを探した。近くのコンビニでトイレを済ませたのだが、祐一だけはなぜかトイレを済ませなかった。きれいなトイレを使いたかったらしい。仕方がないので、そのまま歩き出す四人であったが、なぜか、目的のメイド喫茶に向かわず、歩き回っていた。
ふと、歩いていると面白そうな写真を取る用の萌系?の『なにか』があった。記念に一枚と、写真を撮る。
「俺ちょっと、パチンコ屋のトイレ行ってくるわ。」
写真に満足したのか、限界が近づいたのかはわからないが、祐一は、パチンコ屋のトイレに向かい始めた。
「じゃあ、祐一がトイレ行ってる間に、この大人のコンビニで、時間潰してるわ。」
「わかった。」
そして、祐一を見送った刹葉達三人は大人のコンビニへと足を踏み入れた。
中を覗くとそこは、まさに大人のコンビニだった。たくさんのアダルトグッズが数階に分けて陳列されてある。
刹葉は面白そうなものがないかなと、三人を連れて回りだした。しかし、爆笑するようなものは一つもなかった。しいて言うのであれば、『安全戦士コンドム』くらいだっただろうか。
そして、お店の中を回っていると、祐一が戻ってきたのだった。祐一の第一声があった。
「トイレ、清掃中で使えなかったんだけど・・・。」
「えーw」
さすがの刹葉達も唖然としてしまった。
「トイレ大丈夫?」
「何とかなる!」
我慢強い祐一であった。
祐一を迎えた四人は再び店の中を歩き出す。途中で見つけた鞭を祐二に試したり。バイブを持って動かして少し感動したりと、十分に楽しんだ刹葉達は、目的地のトイレへと向かって歩きだすのであった。
(あれ。目的地ってメイド喫茶だよな・・・。)
相変わらずのぐだぐだっぷりを発揮する四人であった。
ノープラン旅行はぐだぐだ感がたまらない。そう痛感した刹葉であった。
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